浮気の定義|どこからが浮気?法的な浮気の定義と慰謝料請求に必要な事
どこからが浮気なのかという考えは、人によって異なりますよね。特に、男性と女性では浮気に対する捉え方が違ってくるようです。
また結婚している場合と結婚していない場合では法律上浮気と認められるかどうかも変わってきます。
今回は、男女それぞれの考える浮気の定義や、法律上浮気とされるかどうかの定義、そして法律上の浮気をされてしまったときに何ができるのかについて解説していきます。パートナーの浮気にお悩みの方に少しでもお役に立てれば幸いです。
目次
どこからが浮気?男女で浮気についての捉え方は違う
どこからが浮気になるのかという考えは人によってバラバラですし、男女によっても大きな違いがあります。また、法律上の浮気の定義もしっかりと定められています。
離婚や慰謝料請求をする際は法律上の浮気にあたるかどうかがポイントになってきますが、夫婦関係をよりよく築いていくためには夫婦間で浮気の定義を話し合い、お互いに不快な思いをしないようにしておくことも大切でしょう。
男性の考える浮気の定義
男性はパートナーのどのような行動に対して浮気だと判断するのでしょうか。
多くの男性が、「自分以外の男性とセックスをしたら、完全に浮気」と考えています。これは多くの女性も納得でしょう。結婚している男性の場合、妻が他の男性とセックスをした時点で即離婚を考える人も少なくありません。そのくらい、肉体関係を持つことは完全にアウトと考えています。
他にも、キスをしたら浮気であると考える男性が多いですが、即別れる、という決断にはなりにくいようです。
なお、バレなければ基本的にOK、ただしバレたら即離婚、即別れると考えている男性が多いです。浮気をするなら自分にバレないようにやってくれれば良いという考えです。男性は物事をすべて白黒はっきりさせて判断したいと思っているため、自分が白と思えるならそれでいいと考えているのです。
女性の考える浮気の定義
では、女性の場合はどこからが浮気だと考えているのでしょう。
女性の場合は、妻や彼女に内緒で他の女性とデートしたり、妻や彼女に隠れてこっそり連絡を取り合っていたりしたら浮気と考えることが多く、男性に比べて嫉妬心が強く、浮気のボーダーラインがかなり低いようです。
もちろん、男性と同じく、他の女性とセックスしたら完全に浮気ですし、キスや手をつなぐ時点で完全に浮気だと考える女性も多くいます。
女性は子供を産む性ですので、もし自分が身ごもった場合に浮気せず自分と自分たちの子供のことだけを考えてくれる男性を求めようと本能的に考えてしまうため、男性に比べて浮気に対する考え方が厳しくなってしまうのでしょう。
法律で認められる浮気の定義
男性と女性で浮気に対する定義が異なっていることはここまででおわかりいただけたかと思いますが、ここでは法律で考えられている浮気の定義についてご紹介していきます。
法律においては、結婚している夫や妻がほかの異性と肉体関係をもつことを浮気だと定めていて、民法に違反する行為だとされています。法律上は、浮気のことを「不貞行為」と呼んでいます。
肉体関係を持つことが浮気だと定められているので、法律上はパートナー以外の異性に恋愛感情を抱くことや、異性と2人きりで会うこと、キスをすることなど浮気行為には含まれません。あくまでも肉体関係をもつことだけが該当します。
また、結婚前のお付き合いの時期は基本的に自由恋愛なので、法律上は浮気行為が定められていません。結婚前の段階ではそれぞれのカップルで浮気の定義についてすり合わせておくことが大切です。
なお、結婚前のお付き合いの段階でも「付き合っている間は浮気をしてはいけない。もし破った場合は違約金を払う」という誓約書をお互いに交わしていれば法律上責任が出てきて違約金を支払う義務が発生することがあります。
これって浮気?法律上浮気と認められるか微妙なケース
浮気の定義は男女によってもそれぞれ考え方が違いますし、極論、人それぞれ浮気の定義はバラバラです。
ただ、パートナーと離婚することを考えていたり、慰謝料請求を考えていたりする場合は、法律で定められている浮気に該当するかどうかが重要になります。
中には、法律的に考えて浮気と言えるかどうか微妙なケースもあります。裁判で浮気と判定されるかどうか難しいケースをいくつかご紹介していきます。
風俗に行った
男性からしてみると、風俗はただのアソビでエステに行くような感覚で利用している人もいますが、女性からしてみると、風俗に行けば性的なサービスを受けるのでれっきとした浮気だと考える人が多いでしょう。
男性の言い分は、「肉体関係は持っているけれどサービスとして利用しているだけだから恋愛関係はないから浮気ではない」というものでしょうが、法律上の浮気は恋愛感情があったかどうかは関係なく、肉体関係を持った時点で浮気と判断されます。
ただし、風俗での浮気が厄介なのは、風俗の中でも本番行為のないサービスだった場合、法律上浮気だと認められないケースがあるということです。夫が風俗を利用していて、それを浮気として離婚や慰謝料請求を進めたい場合はどのような風俗に行っていたのかの証拠を取る必要が出てくるでしょう。
浮気相手が同性だった
ケースとしてはそこまで多くはありませんが、浮気相手が異性ではなく同性だったという場合も存在します。その場合は法律上、浮気だとは認められていません。法律ではあくまでも異性との肉体関係が前提になっているため、同性との浮気は想定されていないのです。
ただ、浮気相手が同性だった場合は法律上の浮気にはあたりませんが、同性の浮気相手との関係が原因で夫婦生活が破綻してしまった場合は、パートナーとの離婚は認められることがあります。
1回だけの浮気
1回だけの浮気でも肉体関係を持っていれば立派な浮気です。ただし、浮気を理由に離婚したい場合、1回だけの浮気では離婚の理由としては認められなかった事例があります。
浮気によっての離婚が認められるかどうかは、浮気行為によって結婚生活が破綻したかどうかが判断基準になりますので、1回だけの浮気なら夫婦関係をやり直せるのではないかと判断されると離婚が認められないことになります。
すでに結婚生活は破綻していた
パートナーが浮気していても、すでに夫婦関係が破綻していたという状況であれば、パートナーが別の異性と肉体関係を持っても法律上浮気とはみなされません。
法律上の浮気と判断され、それを理由に離婚が認められるのはあくまでパートナーの浮気が理由で結婚生活が破綻してしまった場合なので、はじめから結婚生活が破綻している場合の行為は浮気とは認められないのです。
法律上の浮気をされた場合にできることは?
もしも愛している夫や妻に浮気をされたら大きなショックを受けますよね。
あまりのショックでどういう行動を取ればいいのかわからなくなってしまうかもしれませんが、法律は浮気の被害者の味方になってくれます。
慰謝料請求が可能
法律上、結婚していて婚姻関係二あるにもかかわらず、パートナーが法律上の浮気行為をしていた場合は、パートナーに対して、もしくは浮気相手に対して、もしくはパートナーと浮気相手の両方に対して慰謝料を請求することができます。
慰謝料金額の相場は、数10万円~300万円程度と言われています。浮気している期間が長かったり、頻繁に浮気していたり、慰謝料を請求する側(あなた)にお子さんがいたり、浮気が原因で離婚の危機にさらされたりした場合は、慰謝料が高額になる可能性が高くなります。
なお、結婚していない恋人同士の場合は、基本的には自由恋愛なので慰謝料は請求できません。ただし、結婚はしていなくても婚約中であったり事実婚であったりする場合はそれを証明できれば、慰謝料を請求することが可能になります。
もしあなたの状況が
・婚約指輪をもらっている
・結納は終わっている
・同居期間が長年にわたる
・財産を共有していて夫婦と変わらない生活をしている
という場合は、慰謝料請求を諦めずに弁護士など法律の専門家に相談してみると良いでしょう。
慰謝料請求するには証拠が必要
浮気の慰謝料を請求するためには、パートナーが法律上の浮気をしたこと、つまり、浮気相手と肉体関係を持ったという証拠を示すことが必要不可欠です。
肉体関係を持っていることの証拠なので、浮気相手と手をつないで歩いているところの写真や、「愛している」などのLINEのやり取り、キスをしている写真などだけでは慰謝料請求の裁判では浮気だと認められません。
慰謝料請求の際に必要になるのは以下のような証拠です。
・ラブホテルに出入りしている写真(パートナーと浮気相手の顔がはっきりわかる)
・浮気相手の自宅に出入りしている写真(パートナーと浮気相手の顔がはっきりわかる)
・日帰りでは帰ってこられない遠方地で撮った2人の写真
・肉体関係を持っていたことが想定できるLINEのやり取り
・肉体関係を持っていたことがわかる写真や動画
・ラブホテルの領収書
このように、肉体関係を持っていたことを証明できる証拠は、素人ではなかなか入手するのが難しいです。さらに、どの証拠の場合も1回だけより複数回浮気の関係を持っていたことが分かるもののほうが裁判でも浮気行為として認められやすいため、ラブホテルに出入りする写真であれば複数の日数で撮影されたものを用意したり、肉体関係を持っていたことを想定できるメッセージのやり取りでも複数揃えておいたりすることが重要です。
ご自身で証拠を集めようとすると、かなりの労力と時間がかかってしまいますし、何より相手にバレてしまうという失敗のリスクが大きくなってしまいます。慰謝料請求するための浮気の証拠集めについては調査のプロである探偵に依頼することをお勧めします。
浮気の慰謝料請求をするには3つの方法がある
もし結婚している状態でパートナーに浮気されたら、浮気の証拠を揃えたうえで慰謝料請求することが可能だとお伝えしましたが、その方法には主に3つあります。
どの方法で慰謝料請求するのが自分にとってベストなのか考えてみるきっかけにしてみてくださいね。
話し合いで請求する
1つ目の方法は、話し合いによって慰謝料請求する方法です。まずは慰謝料請求する相手を決め、その相手に慰謝料を請求する意思があることと、その金額を伝えましょう。
パートナーに慰謝料請求する場合、一緒に住んでいれば直接話すのが早いですが、お互いに感情的になってしまいますし、相手に本気度が伝わりにくいので、メールや書面で伝えてもOKです。
むしろ、書面やメールのほうが相手に慰謝料を請求したことを客観的事実として証明できますし、後から「言った・言わない」のトラブルになることを避けられます。
直接話をして慰謝料請求について伝えた場合でも、必ず議事録を書面で作成してサインをもらっておくようにしてください。
裁判を起こして請求する
相手が慰謝料の支払いに応じてくれなかったり、そもそも話し合いにもならなかったりする場合は民事訴訟で改めて慰謝料請求するという方法があります。
民事訴訟とは裁判所に民事事件として訴えを起こすことで、いわゆる「慰謝料裁判」ですね。
裁判を起こすとなると時間もかかりますし、弁護士費用もかかってしまいます。
そのため、より高額な慰謝料をより確実に請求するために浮気の証拠を的確に集めることが重要になってきます。探偵に浮気調査を依頼する際は慰謝料請求の裁判を起こすことを考えていると前もって伝えておくと良いですね。
離婚調停で請求する
話し合いでの慰謝料請求がうまくいかなかった場合、裁判を起こす以外にも離婚調停で請求するという方法があります。
この方法は離婚も同時に進めていきたいときに有効な方法で、離婚請求と慰謝料請求を同時に行っていけます。「夫婦関係調整申立書」という書類を家庭裁判所に提出することで進めていきます。この申立書には慰謝料の希望額を書く欄が用意されているので、必ず記入してください。
もし離婚調停の方法でも慰謝料請求が解決しなければ最終的には離婚訴訟になり、やはり裁判で決着をつけていくことになります。
この場合の裁判においても浮気を証明するための証拠が必要不可欠で、浮気の証拠の重要度が3つの方法の中でもかなり高くなってくるので、確実に肉体関係を裏付けられる動かぬ証拠を用意するようにしてください。
まとめ
どこからが浮気になるのかについては、男性と女性で大きく変わりますし、人によっても様々な考え方があります。また、法律上の浮気の定義もありますので、結婚している状態でパートナーの浮気が怪しいと思ったら法律上の浮気に該当するかどうかを考えていくことが必要でしょう。
法律上の浮気に該当していれば、離婚請求や慰謝料請求が可能になりますので、パートナーの浮気に対して離婚や慰謝料請求を考えている場合は、弁護士や探偵に相談しながら証拠を集め、手続きを進めていくことをお勧めします。